胃腸虚弱体質虚弱相談

・食欲不振、疲れやすさ、元気が出ないといった虚弱体質の方を、漢方治療で体の内側から整えていきます。
・お腹が弱い、下痢をしやすいなどの胃腸の不快な症状も、漢方治療で根本から改善していきます。

虚弱体質とは

「虚弱体質」という言葉には医学的に明確な定義はありません。一般的には、体力が乏しく疲れやすい人、あるいは休んでも疲労感やだるさが抜けにくい人を指すことが多いです。これに加えて、食欲がない、顔色が悪い、立ちくらみやめまいを起こしやすい、風邪などの感染症にかかりやすいといった特徴が、いわゆる「虚弱体質」のイメージとして共有されています。

子どもの場合は、食が細く痩せ型で、朝礼などで倒れやすい、耳や喉の炎症を繰り返すといったケースが想像されるでしょう。なお、「虚弱体質児」「虚弱児」といった言葉もありますが、これらも西洋医学的には正式な診断名ではありません。

西洋医学では、特定の疾患が背景にない限り、「虚弱体質」は明確な治療対象になりにくいとされています。一方、漢方医学では、健康と病気の中間にある“未病”の状態として捉え、改善を得意としています。本稿では、病気によるものではなく、生まれつきや体質的な虚弱傾向に焦点を当てて解説していきます。

虚弱体質の原因

慢性的な疲れやだるさといった主症状は、体質的な要因と生活環境の影響が重なって生じることが多いです。
体質面では、食欲不振や消化機能の低下により栄養の吸収がうまくいかないことが原因になるケースがよく見られます。また、病気をきっかけに体調を崩した後、回復が遅れて虚弱状態が続くこともあります。

一方、環境的な側面では、長時間労働やストレスの蓄積、栄養バランスの偏り、運動不足、睡眠不足などが挙げられます。これらが重なると、もともと体力のある人でも慢性的な疲労感が取れにくくなります。

虚弱体質の主な症状

代表的な症状は、慢性的な倦怠感や身体の重さです。これに加えて、胃もたれ、食欲の低下、腹痛、吐き気、下痢といった消化器系の不調が現れることもあります。さらに、顔色の悪さ、息切れ、立ちくらみ、風邪をひきやすい、やる気の低下なども特徴的なサインです。

西洋医学から見た虚弱体質

西洋医学では、疲労の背景に**甲状腺機能低下症(橋本病など)**のような明確な疾患がある場合、その治療によって体調の改善が期待できます。たとえば、甲状腺ホルモンの不足によって、むくみや冷え、倦怠感、気力の低下といった症状が出る場合、ホルモン剤の服用で回復が見込めます。

しかし、原因が特定できないケースでは、西洋医学的なアプローチだけでの改善は難しいのが現実です。そのため、「なんとなく疲れやすい」「いつも元気が出ない」といった状態に対しては、漢方などの補完的な治療が選択肢になります。

漢方医学における虚弱体質の考え方

漢方では、検査値や病名よりも、本人の体質や感じている不調を重視します。そのため、明確な病気がなくても「疲れやすい」「元気が出ない」といった状態は治療の対象になります。

虚弱体質は、漢方的には主に「気虚(ききょ)」や「血虚(けっきょ)」の状態と考えられます。

気は生命エネルギーのようなもので、体を温め、活動させ、抵抗力を保つ役割を担います。

血は体の隅々に栄養を届け、心身を安定させます。

過労や消化不良によって気が不足すると、活力が落ち、さらに血の生成も滞って「気血両虚(きけつりょうきょ)」の状態になることがあります。
また、精神的ストレスが続くと気の流れが停滞し、気滞(きたい)と呼ばれる状態になります。これによって、気分の落ち込みや体の重だるさ、消化不良などが生じます。

漢方薬による改善法

虚弱体質の治療では、不足した気や血を補うこと(補気・補血)が基本となります。気は食事から生まれるため、まず消化機能を整えて食欲を高めることが重要です。

疲れやすく風邪をひきやすいタイプ:人参・黄耆・白朮・大棗・甘草などを含む補気薬。

顔色が悪く息切れしやすいタイプ:地黄・当帰・芍薬・阿膠・酸棗仁・竜眼肉などを含む補血薬。

食欲はあるが気分が沈み体が重いタイプ:柴胡・陳皮・厚朴・香附子などの理気薬で気の流れを整える。

さらに、むくみやめまいを伴う場合は、水分代謝の滞り(水湿)を改善する処方が用いられます。このように、虚弱体質といっても一人ひとりの体質や症状によって、最適な漢方薬は異なります。

まとめ

虚弱体質は病気ではなく、体力や抵抗力が低下している“未病”の状態と考えられます。西洋医学では原因不明の場合に対応が難しい一方、漢方では体質に合わせたアプローチで改善を図ることができます。日常生活の見直しと併せて、体質に合った漢方を取り入れることで、徐々に体調を整えることが可能です。