転倒が“寝たきり老人”の原因になる?

2026年07月06日 17:23

高齢者が要介護や寝たきりになる原因として、見逃せないのが「転倒」です。

「ちょっとつまずいただけ」 「段差でバランスを崩しただけ」 そんな何気ない転倒が骨折などのケガにつながり、そのまま寝たきりになってしまうケースは少なくありません。

そして、転倒は決して偶然起きるものではありません。背景には、加齢とともに進行する“体のヨボヨボ化”があります。若い頃は問題なく歩けていた人でも、年齢を重ねるにつれて足がしっかり上がらなくなり、歩幅の狭い、転びやすい歩き方になっていきます。

高齢者の転倒に深く関係している体の問題は、次の3つです。
①筋力の低下
②柔軟力の低下
③バランス力の低下

とくに、背筋の衰えは、全身に大きな影響を与えます。
背筋が弱る
→体をまっすぐ保てなくなる
→腕の重みが前方にかかる
→頭の重さを支えられず、肩も前に倒れていくという流れで、重心が崩れて不安定になり、転びやすい状態になってしまうのです。

転倒は単なる不運な事故ではなく、
筋力低下
→柔軟性低下
→バランス能力低下という流れで起こる、いわば「老化現象の結果」なのです。

そして転倒による骨折は、その後の人生を大きく変えてしまいます。入院をきっかけに歩かなくなり、筋肉が減り、さらに転びやすくなる。こうして要介護状態へ進むケースは少なくありません。

老化による転倒をできるだけ遠ざけるために、忘れてはいけない大切な要素が「食事」です。

体の機能や能力が目に見えて低下し始める50代以降は、老いや病気に負けない「体の基盤」をつくることが重要です。

そのために欠かせないのが、食事に対する意識の見直しです。医療や介護の現場において、転倒や骨折で運ばれてくる高齢者の多くは、筋肉量が落ちた「やせすぎ(低栄養傾向)」の状態にあります。

そのため、高齢の方にまず意識していただきたいのは、「しっかり食べること」です。

「粗食は寿命を縮める」と思ってください。

食事内容で、もうひとつ意識していただきたいのが、たんぱく質を積極的に摂ることです。

せっかく運動をしても、食事から必要な栄養を摂取できなければ、筋肉は十分につきません。筋肉量を増やし、筋力を高めるためには、たんぱく質の摂取が欠かせません。

特に、現在やせている方は、たんぱく質が不足すると筋肉がつかないだけでなく、貧血を起こす可能性もあります。意識して、毎日の食事に取り入れるようにしましょう。

「年を取ってからは、肉より魚を好んで食べている」という方は多いでしょう。しかし実は、年を重ねた今こそ、肉を積極的に食べていただきたいのです。

肉には、筋肉の材料となるたんぱく質だけでなく、鉄分やビタミンB群、脂肪分など、体づくりに欠かせない栄養素がまとめて含まれています。効率よく栄養を摂取できる、非常に優れた食材と言えるでしょう。

鶏肉のささみやもも、豚肉や牛肉の肩ロースなど、たんぱく質が多く含まれる部位を選んで食べることがおすすめです。

たんぱく質だけでなく、体のエネルギー源となる炭水化物、体の調子を整えるビタミン・ミネラルも欠かせません。これらの栄養素がそろうことで、筋肉もよりよい状態に保たれていきます。

「食が細くなって、そんなに量が食べられない」という方は、無理に一度の食事量を増やす必要はありません。1日3食にこだわらず、たとえば6食くらいに分けて少しずつ食べるといった工夫をしてもよいでしょう。

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