近年、健康意識の高まりとともに、生活習慣病やがん予防への関心が高まっています。
その中でも、特に「沈黙の臓器」と呼ばれ、発見が難しいとされるのが「膵臓(すいぞう)がん」です。
「なぜ膵臓がんのリスクが高まってしまうのか?」
「日々の食習慣とがんにはどのような関係があるのか?」といった疑問や不安を抱えている方も多いのではないでしょうか。
実は、私たちが何気なく続けている糖や脂質のとりすぎ、そしてお酒の飲み方が、膵臓に深刻なダメージを与えているかもしれません。
「糖や脂質のとりすぎは、膵臓をただ『疲れさせる』だけではありません。
がん細胞を刺激してしまうホルモンを大量に出し、さらに内臓脂肪からの悪玉物質でがんを育ててしまう負の連鎖を引き起こします。
膵臓の大切な役割の一つに、血糖値を下げるホルモン『インスリン』を出す仕事があります。
甘いものや脂っこいものを食べすぎて内臓脂肪がたまると、全身でインスリンが効きにくくなります。
すると膵臓は『もっと出さなければ』と焦って、通常よりも大量のインスリンを出し続ける過労状態に陥ります。
実は、このインスリンには血糖値を下げるだけでなく、『細胞を増殖させる』働きがあります。
つまり、大量に出したインスリンが、がん細胞の増殖スイッチを押し続けることになってしまうのです。
『使いすぎるからがんになる』のではなく、『大量に出したホルモンががん細胞を刺激する』といわれています。
さらに、たまった内臓脂肪からは常に『炎症を引き起こす悪玉物質』がにじみ出ています。
これが全身や膵臓に酸化ストレスを発生させ、細胞の遺伝子を傷つけて、がんの発生を後押ししてしまうのです。」
「毎日の多量のお酒は、膵臓の細胞を物理的に壊して『がんの温床』となる慢性膵炎を作り出します。
また、脂っこい食事のドカ食いは、膵臓が自分自身を溶かしてしまう急性膵炎の引き金になります。
日々の食習慣の中でも、膵臓がんの強力な引き金になるのが『長期間にわたるお酒の飲みすぎ』です。
アルコールが体内で分解されるときに出る有害物質は、膵臓の細胞を少しずつ破壊します。
毎晩のように飲み続けると、膵臓はダメージと修復を休む間もなく繰り返し、やがて炎症を起こしてカチカチに縮んでしまいます。
これが『慢性膵炎』です。細胞が無理な修復を繰り返すうちに、遺伝子のエラーがたまりやすくなり、健康な膵臓と比べてがんになる確率が跳ね上がってしまうため、なるべく避けるようにしましょう。
また、ストレス発散としての『脂っこい食事のドカ食い』も危険です。
一度に大量の脂を処理しようとすると、膵臓から出る強力な消化液(膵液)が暴走し、あろうことか自分自身の臓器をドロドロに溶かしてしまう『急性膵炎』を起こすことがあります。
仕事終わりの一杯や、こってりした食事をご褒美として楽しむ気持ちはよく分かります。
しかし、その『無意識のドカ食いや飲みすぎ』が積み重なると、膵臓を物理的に壊し、がんを招く土壌を作ってしまうリスクがあることはぜひ知っておいてください。」
「膵臓がんのリスクを下げるために、まずは『週に数日の休肝日を作ること』と、『腹八分目で適正体重をキープすること』から始めましょう。
また、禁煙も効果的です。 膵臓がんを予防するには、リスクを高めるとはっきり分かっている『過度な飲酒』と『肥満』、そして『糖尿病の悪化』を避けることが重要です。
明日からできる最初の一歩として、お酒を飲む方は『週に2日は肝臓と膵臓を休ませる日』を設けるなど、量を意識的にコントロールしてみてください。
また、脂っこい食事や糖質のドカ食いをやめて『腹八分目』を心がけ、適正な体重を維持しましょう。
これが、膵臓の過労(インスリンの出しすぎ)や内臓脂肪からの悪玉物質を減らすために有効な方法です。
さらに、食事の見直しと同様に大切なのが禁煙です。喫煙は血流を悪くし、発がん性物質を体内に送り込むため、さらなるリスク因子となります。
こうした毎日のちょっとした工夫が、あなたの膵臓と命を守ります。もし健康診断で『血糖値』や『中性脂肪』の高さを指摘されたら、要注意です。
放置せず、早めに医療機関でご相談ください。」 「ご褒美」としての甘いものやお酒、ドカ食いが、知らず知らずのうちに膵臓に大きな負担をかけ、がん細胞を刺激する原因になっていることがわかりました。
しかし、それは裏を返せば、私たちの毎日の選択次第でリスクを遠ざけることができるということでもあります。
「週に数日の休肝日(お酒を飲む方は週に2日の休肝日)」や「腹八分目」の心がけなど、明日から始められる小さな工夫が、膵臓の過労を防ぎ、あなたの命を守る強力な一歩になります。
健康診断の数値にもしっかりと目を配りながら、大切な膵臓をいたわる生活を今日から始めてみませんか?